さて問題です。
問題
「斜辺の長さが10,斜辺の対角までの距離(高さ)が6の直角三角形の面積を求めよ」
この問題,「底辺が10で,高さが6だから」と答えるのが普通でしょう。
しかし,実際はこのような三角形は作れない(→図を描いてみると気付ける!)ので,
三角形の面積は求められない。が正解でしょうか。
普段我々が問題を考えるとき,似た問題のやり方をなぞって考えることがほとんどで,
要は覚えているやり方を反復しているに過ぎません。しかし,この当たり前と思ってし
まっていることこそ大きな落とし穴となり得ることもあり,先入観で物事を考えるのは
すごく危険なこともあると気を引き締めるべきです。
例えば,数学の歴史でも,数の拡張にみられるように,
自然数 → 整数 → 有理数 → 無理数 → 複素数
と計算の拡張に伴って新しく導入をし,数学の発展につながっているのは周知のことです。
大学に入ってからの数学はこの拡張の連続です。
実数を対象にしていた微積分も複素数まで拡張して内容が進んでいきますし,
ユークリッドの幾何学も平行線の公理を疑ってかかる非ユークリッド幾何学などもあります。
例えば三角形の内角の和が180°を超える三角形なんでなんだ?と興味深いですよね。
このように,いままで当たり前と思っていたことを疑うことに大きな意義が潜んでいる
ことも多くなるので,いろいろなことを慎重に扱う姿勢を持ち合わせていきましょう。
では問題。
「整数は偶数と奇数からなるが,整数と偶数と奇数の個数の大小を求めよ」
答え:いずれの個数も同じ
数学科主任より