数学科のTです。

 数学科のTです。

今日は,数学に興味をもってもらえるような話ができればと思います。

 

 コーヒーカップの中のコーヒーをかき回すと,カップの水面には必ず渦が起きます。

あるいは,地球上には必ず無風点が存在します。

また,頭には必ずつむじが存在します。(ハゲは例外)

これらはすべて「不動点定理」とうものの具体的な現象だといえます。

 

 まずは,1次元で不動点定理をイメージしてみましょう。

長さ1のゴムひもがあって,これを両端からゆっくりと引っ張ってみると…

それぞれの点のなかで初めの位置から少しもずれていない点が少なくとも1つ存在することが,観察できるでしょう。

証明してみます。

 x軸上に長さ1のゴムひもを置き,左端をx=0,右端をx=1とします。

引っ張った後の位置をf()とすれば,左端はより左側に,右端はより右側にくるので,

(0)0,f(1)>1となります。ここで,g()=f()-xとおくと

(0)0<g(1)をみたすので,中間値の定理を適用すれば,ある0<c<1が存在して

()0をみたすのでf()=cとなることが分かります。このx=cこそが不動点となります。

 

このような考え方を2次元に拡張すれば先に述べたコーヒーカップの水面の話につながってきます。

どうです?数学に興味が湧いてきましたか?

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